ノーベル賞公式行事で提供「福寿」の酒蔵を訪ねて

 

「福寿」という日本酒を知っていますか?

1751年創業,13代にわたり磨き上げられてきた銘酒。

「福寿」の酒蔵「神戸酒心館」を訪問してきました。

 

健康オタクの私としては,アルコール摂取には消極的なのですが(笑),「福寿」の歴史やクオリティがとても素晴らしかったので,紹介したいと思います。

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<250年以上の歴史を誇る酒蔵>

【目次】

【輝かしい実績の数々】

「福寿」は,国内にとどまらず海外にも出品して,大変高い評価を受けています。

 

2018年全国新酒鑑評会で,4年連続・通算16回目の金賞受賞

・インターナショナル・ワイン・チャレンジ2018大吟醸酒の部で,金賞受賞

2016年,国連日本政府代表部主催の和食レセプションで,安倍総理が乾杯酒として使用

ノーベル賞の公式行事で,2008年〜2018年まで8回提供

 

世界に誇る日本酒というと,安倍首相がオバマ大統領にプレゼントした山口の「獺祭」が有名。

「福寿」は,それに勝るとも劣らない実績を誇るといえるのではないでしょうか。

 

神戸酒心館には,高円宮同妃両殿下や,フランスのシラク大統領も来館したことがあるそうです。

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<ノーベル賞公式行事で提供される福寿>

阪神淡路大震災からの復興】

1995年1月17日,阪神淡路大震災により神戸市東灘区の木造蔵はほぼ壊滅。

福寿の酒蔵も全壊し,被災直後は蔵の仕込み水を住民に提供するなど,できるところから復旧作業を開始したそうです。

 

戦時中,酒造りができないなど数々の苦労を乗り越えてきた歴史を思い,再建を決意。

1997年,「酒造りの灯を消してはならない」と,日本初となる免震構造を備えた酒蔵を中心に,飲食施設,ギャラリー,イベントホールを併設した「神戸酒心館」が誕生しました。

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<日本初となる免震構造を備えた酒蔵>

【福寿の感想】

ノーベル賞晩餐会で提供された福寿(純米吟醸)を賞味しました。

 

とにかく香りが素晴らしい!

飲むのが惜しく,目を瞑ってずっと匂いをかいでいたいほど,上品で澄んだフルーティーな香り。

味わいは雑味のないピュアさが際立ち,米のほのかな甘みが感じられます。

 

白身魚など淡白で繊細な料理との相性が抜群に良く,「ぼくはしあわせだな〜」と思いました(笑)

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<酒粕などを取り入れたレストランの料理も美味しい!>

杜氏制度改革】

営業部長さんから聞いて驚いたのは,専門職人の杜氏だけでなく,社員10名ほどで酒造りを行っているとのこと。

少人数の専門職人に任せきりにせず,社員で酒造りのノウハウを共有することで,年ごとの出来のバラつきがなくなり,クオリティもレベルアップしたそうです。

 

酒造りを担当している社員さんは,全員スリムな印象。

そのことを尋ねると,「高品質な日本酒を造るためには,高温多湿な酒蔵での仕込み作業など肉体的にハードな作業は欠かせない。だからスリムなのでしょうか」とのこと。

 

杜氏の手は,米麹にいつも触れているから綺麗」とか聞きますが,いやいや,現場はそんなのんきな話ではなく大変なんだろうな,と想像しました。

【まとめ】

最近は,国際会議に参加する外国人をおもてなしするため,イベントホールのレセプションに力を入れているそうです。

イベントホールは,日本文化特有の酒蔵の雰囲気が味わえるとともに,震災で倒壊した古い柱と新しい柱を組み合わせて建築されており,復興ストーリーを紹介するのに格好の場所。

 

多言語対応のパンフレットやビデオ作成にも力を入れており,変わらないために変わり続ける姿勢は素晴らしい!と感心させられました。

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<震災で倒壊した古い柱と新しい柱を組み合わせて建築されイベントホール>

 

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