「達人伝」感想(第168話・王命を越えて)

「達人伝」感想(第168話・王命を越えて)

蒼天航路」の王欣太(キングゴンタ)先生が連載している「達人伝」のあらすじと感想を紹介します!

今回は「第168話・王命を越えて」です!

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<漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

【目次】

達人伝〜王命拒否〜

魏国侵攻中の趙の総大将・ 廉頗(れんぱ)が,思いもかけない行動に出ました。

 

王命による総大将の交代を拒否!

さらに,全軍を撤退させるか,さもなくば廉頗が相手すると宣言!

 

廉頗は,かつて激戦を交わした秦将・王齕(おうこつ)の言葉を思い出します。

 

「廉頗 貴様も心積もりはしておけよ」

「いくら国を尊べど 国は決して俺たちの武を 尊び尽くしてはくれん」

 

王齕には,戦友の秦将・白起が,秦王のため尽くして尽くして,絶大な貢献をしたのに手柄を取り上げられ,名誉を剥奪され,最後は死に追い込まれた痛切な記憶があります。

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<趙将・廉頗〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

達人伝〜組織と個人〜

組織は個人を記録するが,記憶しない。

組織は,その存続と繁栄が最優先。

 

個人が組織に貢献する限りにおいて,その存在を尊重するが,組織の存在意義を超えて個人を尊重することはまずありえない。

 

これは,組織というものの厳然たる宿命でしょう。

達人伝〜廉頗の決断〜

現代のサラリーパーソンにたとえるなら,廉頗部長は,自分の主義信条に反する仕事を社長から命じられた。

 

嫌々ながら,最低限の仕事は果たしたところで,社長が交代。

そして,実力・実績ともに十二分の自分を更迭し,新参者への交代を命じてきた。

 

もう,やってられん!

攻勢をかけていたライバル他社へ転職するぞ!と。

 

長年にわたる家族や戦友もたくさんいるのに,廉頗はじつに思い切った決断をしたものです。

 

しかも,現在侵攻中の敵国への亡命なので,受入れを拒否されたり,殺されてもおかしくありません。

 

そりゃ,荘丹たちも目が点になります(笑)

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<廉頗の亡命宣言に目が点になる荘丹たち〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

達人伝〜義侠の魂〜

廉頗クラスの大将軍が他国へ亡命する事例は,他にあまりないのではないでしょうか?

飛び込む方もですが,受け入れる方も相当の覚悟が入ります。

 

なぜなら,重要人物を受け入れることで他国の機密情報を得られるのは大きなメリットですが,また他国へ亡命して自国の重要情報を漏らさないないとも限らないからです。

 

よほど好条件でも約束されていない限り,亡命はリスキーな選択であることは間違いないでしょう。

 

廉頗は,合理的な打算や保身を考えなかったのか?

 

もういい年齢なので軍を退役し,「歴戦の英雄」との称賛を受けながら,穏やかな老後を送る道もあったかもしれません。

 

しかし,廉頗にそんなつもりはない。

 

「どの王の命もいらぬ 一軍が与えられずともよい! 俺もまた無名でよい!」

「征く先は 己の命を燃やす 戦いのみだ!」

 

廉頗は,趙国での地位・権力を約束された「紳士」ですが,その安定を捨て去り,無名の「流氓(りゅうぼう)」として生きることを決意。

 

生涯,いち戦士。

 

揺るぎなき義侠の魂に,心が震えます!!

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<高らかに宣言する廉頗〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

達人伝〜義侠伝播!〜

この廉頗の魂に火をつけたのが,無名の流氓である「丹の三侠」。

彼らの義侠心と行動は,天下の同胞に伝播します!

 

楚の春申君(しゅんしんくん)と項燕(こうえん)。

趙の李牧(りぼく)と龐煖(ほうけん)。

天下の大盗・十代目盗跖(とうせき)の扇(せん)。

そして,青年・邦(バン=のちの劉邦)。

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<青年・邦と十代目・盗跖の扇〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

 

李牧と龐煖は変わりませんが,春申君は髪に白いものが混じり,項燕は何匹もの虎を斬り殺す凄まじい武の磨きよう。

 

扇はどことなく暗い影〜悲壮な雰囲気を感じますが,邦ちゃんの「いよっ,親分!」と呼びたくなる,ゆったりとしたおおらかな構えはいいですね!

 

そして,この人にも義侠は伝播したようです。

 

ここのところ出番がないので存在を忘れていましたが,「丹の三侠」を馬骨三兄弟と呼び,自意識過剰なわりに実力が伴ってない,でも憎めないおちゃめな人物です。

 

名前なんだっけ?(笑)

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<チャーミングで憎めない趙将・孟梁(もうりょう)〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

達人伝〜まとめ〜

そして,最後のページに悪の親玉(笑),秦王・政が登場!

政も,いつの間にか立派な青年として成長しましたね 。

「チッ」と舌打ちするクセは,子どもの頃から変わらないようです(笑)

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<秦王・政〜漫画アクション2020/11/2発売号「達人伝」より>

 

信陵君も亡くなり,今回の第168話で物語が数年も進んだように,展開が速まったように感じます。

 

函谷関戦以来,時を重ねた義侠の面々が再結集するのは楽しみですが,物語が終盤に差し掛かっているようで,ちょっと寂しい予感もします……

 

次回,「第169話・大戦への道程」が楽しみです!

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前回のあらすじと感想はこちら!

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